探求の旅-New Zealand編

自分にとっての節目の年にあたる2024年。新たな年の始まりに、今までやったことのない新しい扉を探す旅に出ようと決めました。
その時に決めたテーマと目的は、以下のような内容です。

1.日本の古来から持っているDNA
 o無意識に持っている日本のDNAとは何かを探求
2.日本のシニア世代の活性化
 oシニア世代の活性化について考え、解決していく糸口を探求
3.忘れ物を探しにいく
 o自分が忘れている思いや願い、発見、気づきを探しに様々な場所を訪問

このような目的を持ちながら、新たな冒険に出ることはワクワクするものですね。

年始に決めた新たな扉を探す旅の第一弾として、日本の古来から持っているDNAを探求するべく、ニュージランドを訪れました。ニュージランドに拠点を持つ友人の津村英作氏を訪ねるのは、7年ぶりぐらいでしょうか。随分と久しぶりです。誕生日の翌日の3月21日に、成田空港からニュージランドのオークランド空港へ向かいました。まず、到着後、仕事仲間でもあった旧友と久しぶりに再会し、オークランドでランチをしました。そして、セスナ機に乗り換え、30分ほどで、今回の滞在地フィティアンガ(Whitianga)空港へ。

飛行機を降り立つと、目の前に広がっていたのは美しい芝生。なんと、滑走路が芝生だったのです。のんびりとした牧歌的な雰囲気に、遠い異国に来たのだなぁと実感しました。空港に手荷物受取所がない代わりに、セスナ機の横で大きなスーツケースを直接受け取る仕組みは、なかなか新鮮でした。空港まで迎えに来てくれていた友人の津村英作氏と愛犬(まる)の姿が目に入ると、緊張感が一気に解けて、ホッと一安心。ここから、12日間のフィティアンガでの日々がスタートしました。

フィティアンガは、人口約6000人の小さな町で、海の幸や色とりどりの果物が豊かなところです。滞在中、さまざまな人との出会いの中で印象的だったのは、フィティアンガで出会った日本人の方々です。みなさんと、釣りに行ったり、バーベキューをしたりと楽しい時間を過ごしました。助け合いながら協力して生きている姿に、日本人がかつて持っていた、ご近所との付き合いや魚、野菜、果物などのめぐみを分かち合う姿を重ねていました。

前回、ワークショップで訪れたシェークスピアクリフは、フィティアンガからフェリーでわずか数分ほどの場所にあります。この美しい岬は、クックスビーチの海岸が描く曲線を壮大に見渡せる場所として知られています。この丘の上で、海から吹いてくる心地のいい風を感じながら、心静かにしていると「風を感じ、音を見て、色をイメージする」との言葉が思い浮かびました。”Listening by eyes”とでも言いましょうか。これは、世田谷美術館でインテリアデザイナーの倉俣史朗氏の展覧会で心に響いた言葉、「日本の言葉に音色というのがある。透明な音の世界に色を見、感じる、そのことにいちばん魅せられ、ないものから色を感じ、色を想う」からインスピレーションを得たものです。まさに、その言葉を経験した瞬間で、この感覚は、日本人ならではの感性のように思います。
ニュージーランドには、マナアキタンガ(温かいもてなし)やカイティアキタンガ(環境を大切にする)との考え方が根付いています。先住民の、マオリ族が大切にしており、ニュージーランドの文化の基盤となっているそうです。日本人が大切にしていることと重なることもあり、Weness との感覚を実感する時間でもありました。日本を離れて、ニュージーランドに来たからこそ、日本人が連綿と受け継いできているDNAを改めて発見することができたように思います。

前の記事

誕生日を迎えて思うこと

次の記事

プラハの休日